思慮分別ある三歳児
子どもたちから児童館に行きたいとの希望が噴出。まだ小さなナイトっちは、このような施設に遊びに行くなら喜んでついてくるのですが、最近はヒメっちがどちらかというと消極的でした。でも、今回はなぜかヒメっちも行きたそうにしていたので、それなら家族みんなで行こうということに。
到着してまずは、受付からシルバニアファミリーのおもちゃを貸し出してもらって、二人仲良く遊び始めました。ヒメっちの頭の中では、シルバニアの小さな人形たちが何やら物語を繰り広げていたのかもしれません。
ただ、せっかく四人で児童館に来ているというのに、子どもたち二人が遊び始めた傍に座り込んで、早速舟を漕ぎ出すママっちに、私はいささか閉口していました。子どもたちを連れてくるところまではするけど、着いたらあとはもう、子どもたちを勝手に遊ばせて居眠りばかりしています。傍目にもみっともないし、どうにかならないものかと思いながら、姉の横でシルバニアを見学しているだけなのに飽きてきたナイトっちが別な部屋に行きたいと言い出したので、少なくともその光景を見なくても済むならと、ナイトっちの手を引いて未就学児用の部屋に移動してしまいました。
寝てるだけのママっちの傍に置いていくしかないヒメっちにはちょっと申し訳ないけど、ヒメっち本人ももう慣れてるみたいです。
児童館としてはわりと大きな施設なので、おもちゃも豊富です。ここで、空いているおもちゃを手にとってナイトっちが遊ぼうとしたところに、1歳くらいの女の子が、ナイトっちが手に取ったおもちゃを横から奪い取っていきました。たまにいます、こういう子。よその子が遊び始めたおもちゃが妙に気になるんですね。ナイトっち自身、1歳くらいのころにはあったかもしれません。
自分よりずっと小さな子にこれから遊ぼうと思っていたおもちゃを奪われて、ナイトっちがどうするかを、私はしばらく黙って見ていました。
少しぐらいはぐずったり、おもちゃの取り合いになったりするんじゃないかと思っていたのですが、なんとナイトっち、そのおもちゃを実に素直に、あっさりとその女の子に譲ってあげたのです。
そんなことが三回くらい繰り返されましたが、そのたびに寛容なナイトっち。私に向けた表情はちょっと複雑そうでしたが、
「ここはぼくが我慢しなくちゃね、そうだよね、お父さん」
と語りかけているような気がしました。
ナイトっち、大人になってます。
他にも空いているおもちゃならいくらでもあります。
さりげなく別なところに誘い出して、平べったいブロックのあるところにナイトっちを連れてきました。
全部つなげて積み上げるのに夢中です。
何度か失敗も繰り返して、ついに自分の背丈ほどもあるピサの斜塔のできあがり。
頑張ったので、たくさん褒めてあげました。
ヒメっちたちと合流したそうにしているので、そろそろ別行動も終わりにして、ヒメっちとママっちを探してみると、二人は運動のできる部屋に移動していました。
ここでもヒメっちは一人で遊んでいて、ママっちは部屋の隅に座って寝ています。
私はそんなに妻に苦労をかけている夫なのだろうか。
子どもたちはまだ遊び足りなさそうでしたが、ママっちは買い物したいからそろそろ帰りたそうにしていたので、私が二人を連れて帰ることにして、ママっちを先に帰しました。
帰宅する途中、ミスタードーナッツで少しだけおやつを食べたりもしていたせいで、帰ったときにはもう真っ暗でした。冬至から二ヶ月経っているとはいっても、まだまだ日が落ちるのは早いですね。
二人とも楽しかったのならそれが一番。ヒメっちの遊び相手にはほとんどなれなかったけど、またそれは別な機会に。


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