正直に、そして優しく
私の職場では、最近多くの人の入れ替えがあり、その職場で長い間仕事をしていた人がその現場を離れるといったことが何度かありました。
私の仕事に直接関係が深い人だけでも三人。ここしばらくは、その三人から仕事を引き継ぐ期間となっていました。
そしてこの三人の方々は、三人とも丁寧なことに、最終日にお菓子を買って来て周囲の人に配るというようなことをしていました。
その中の一人からは、草加せんべいをいただきました。
といっても一枚だけなので、その場で食べてしまおうかとも思ったのですが、結局食べずにその日の仕事が終わってしまったので、上着のポケットに入れて持って帰りました。子どもたちが喜んで食べると思っていたからです。
でも、おせんべいはたったの一枚。子どもたちはどうやってこれを食べるのか、私は何も言わずにそのおせんべいを、キッチンカウンターの上に何食わぬ顔で置いておいたのです。
いつの間にかおせんべいがなくなっていたので、ママっちに聞いてみたところ、子どもたちがしっかり食べたのだとか。ちゃんと半分こして。
草加せんべいなので、なにしろ固いです。ナイトっちには食べられないかもしれないから、ナイトっちがお昼寝している間に一人で食べちゃっていいよと、ママっちは言ったらしいのですが、ヒメっちは一人で食べようとはしなかったそうです。
それじゃあナイトっちが可哀そうだからと、ナイトっちが起きるまで待って、仲良く半分ずつにして食べたんだそうです。
優しい子です。
少し前にも、子ども向けのイベントに連れて行ったとき、小学生以上しか参加できないというものがありました。せっかくここまで連れて来て、参加させてやれないのも可哀そうだと、ママっちは、幼稚園では標準より少し背の高いヒメっちを、小学校一年生と偽って参加させようとしたことがあったそうです。来年にはもう小学生なんだし、私もその場にいたら同じことをしようとしたかもしれませんが、列に並び始めてすぐ、ヒメっちが自分から、やっぱり参加しなくていいと、列に並ぶのをやめてしまったんだたそうです。
嘘ついてまで参加したくない。
まさにそのとおりで。
遊びのイベントとか、おせんべいとか、小さな話ではあるけど、正直にまっすぐに育ってくれているヒメっちのことを、私はわが娘ながら、心から誇りに思うのです。
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